内航海運業者の登録

内航海運業を行うための登録

総トン数100トン以上又は長さ30m以上の船舶を使用して、内航海運業を営もうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならない(内航海運業法第三条第一項)。
以下本書においては、当該総トン数100トン以上又は30m以上の船舶を使用して内航海運業を営む業種及びそれに関連する事業を行う者について述べることとする(船舶管理事業等)。
また、登録の申請については、必要事項を記入した申請書の他、資金計画,船員配乗計画及び事業計画を添付しなければならない(内航海運業法第四条)。
尚、申請内容の詳細については、内航海運業法施行規則第三条に詳しく明記されている。

内航海運業の登録要件

内航海運業を営むことが出来る者は、必要事項を記載した書類と必要な添付資料を国土交通大臣に提出して登録申請を行い、国土交通大臣の登録を受けた者であるが、内航海運業法第六条に該当する場合、国土交通大臣は登録の申請を拒否しなければならない(登録を認めない)。

また、内航海運業法第六条第一項第五号『申請者が国土交通省令で定める総トン数又は長さの船舶を有していないとき。』については、登録の際、自己の所有(単独所有)の船舶をもって内航海運業の登録を行おうとする場合には何等問題ないが、共有船舶をもって内航海運業の登録を行おうとする場合には、所有権の割合に関係無く(1%でも可)、当該船舶の共有者であり、且つ当該船舶の船舶管理人でなければならない。この船舶管理人でなければならないという条件は、同じ船舶を使用して複数の内航海運業の登録が行われることを防止するためのもので、船舶管理人(ここで言う船舶管理人とは商法上で所有者を代表する条件付権利義務者であり、船舶管理業を営むものとは異なる)とすることにより、船舶共有者による複数の内航海運業の登録が行われないようにしたものである。
つまり、今回の内航海運業法では、登録の条件において船舶の所有者(物体所有)であることが大前提であり、1つの船舶につき1登録の内航海運業の登録申請が有効とされるものである。
前述、船舶の所有並びに船舶管理人であるか否かについては、内航海運運業法施行規則において定められている申請書類において、『船舶法施行規則(明治三十二年逓信省令第二十四号)第二十九条第一項に規定する登録事項証明書その他の船舶の所有又は貸借関係を証する書類』(内航海運業法施行規則第三条第五項第四号)によって所有者の確認を行ない、登録申請書(第二号様式)に記載されている船舶所有者の欄において、申請者が船舶管理人であるか否かについて確認を行なっている。
なお、特例として内航海運業者の内、船舶を所有せず船舶の貸渡しのみを行う業者に対して、自ら雇用する船員を配乗する場合にのみ使用する船舶を所有したものとみなし、内航海運業者として登録出来ることとしている。これは、内航海運業法及び内航海運業法施行規則には記載されておらず、『内航海運業法施行規則等運用方針』(平成17年4月1日付 国土交通省海事局国内貨物課)において示されている(通達内容)。