オーナー

オーナーとは?

一般的には、船舶という物体を所有する船舶所有者を示します。ただ、内航海運業界では、みなし事業者を含めた貸渡事業者のことをオーナーと呼んでいる時があります。

そもそも、内航海運業法では、内航海運事業者は、船舶の所有をもって登録できます。

ですから、基本的には、内航海運業者は、全てオーナーでなければなりません。

しかし、国土交通省 海事局 内航課は、「船舶所有者から船舶の貸渡しを受け、自社の雇用船員を配乗後これを内航運送をする内航海運業者へ貸渡す行為のみを行う事業者については、使用する船舶をもって所有する船舶とみなす」 として、船舶を所有しない貸渡業者(以下、みなし事業者と記す)の登録を認めています。

また、オーナーオペレーターという言葉もあります。オーナーオペレーターは、自らが所有する船舶を使用して、内航輸送を行う事業者のことを言います。

結局のところ、船舶を所有していても、実際の管理は、貸渡業者に任せていたりするオペレーターもいますので、オーナーと頭に付くオーナーオペレーターは、主として自らが所有する船舶を使用して、内航輸送を行う事業者であり、単にオペレーターという場合には、主として貸渡業者からの船舶を傭船して内航輸送を行う事業者と考えるのが妥当だと考えます。

このようなことを考慮すれば、貸渡業者の分類も主に自らの船舶を使用して貸渡業を行う事業者をオーナーと呼び、船舶を所有せず内航海運業者として貸渡業を営む事業者をみなし事業者と呼ぶべきと考えられます。

では、自ら所有する船舶で貸渡事業をおこないつつ、主に他の船舶所有者から船舶を借受け、貸渡業を行う事業者は、何と呼べば良いのでしょう?

その答えを、ここで導くことはしませんが、このようなことから、船舶管理や契約形態の在り方、そして、船員雇用の在り方について考えていく必要があると私は考えます。

文責:事務局 畑本

参考資料

国土交通省 海事局 内航課,2005:内航海運業法施行規則等運用方針,p8